随分前にRIP MadCatzになりましたが、未だに海外から新パーツが発掘されてくる謎の人気があるMadCatz TE series。
今回はこの需要がどこに刺さるか分からない、TE Customをする際に必要な部分をさらっと書いておきます。
1.本体の選定
ベースとする本体を入手しやすさやデザインで選んでも良いが、ベースによって作業に違いが出てくる。
1)機種の違い
Top PanelのLEDの場所が違ったり内部PCBの位置が異なるが、Top Panelを取り外す場合には特に違いはない。
Playstation3(黒)
Top PanelにPCBが集約されているため、再利用する場合にはハンダ作業が必要になる。TEの場合はSE/STのGNDが別配線でないため難易度が高くなる。逆にEZ-MOD導入時はLED場所にJ2も選択でき自由度が高い。
XBOX360(白)
Top Panelとは別にPCBがあるため、再利用する場合に配線作業は面倒だが機能を生かすことが出来る。EZ-MOD導入時はLED場所がJ3固定となる。
2)世代の違い
基本部品に共通部分が多く互換性もあるが、加工する難易度が違うため注意が必要
TE series (Round 1 or 2)
・Side Panelが膨らんでいる
・Panel bezelが付属
・天板が丸みを帯びている
TEとして人気があるデザイン。内部のボタンホールが個別にあるため、ボタンレイアウトの変更時には内部カットをして対応をする必要がある。
TES series (Version 1 or SCV)
・Side Panelに膨らみはない
・Panel bezelは無し
・天板が全てを覆い隠すような四角である
TEの廉価版であまり人気がない。内部のボタンホールが繋がっているため、ボタンレイアウト変更時でも最小限のカットで対応できる。
TES+ series (for PS4)
・TOP Panelが天板中央へ移設され機能が追加
・それ以外はTESとほぼ同じ
TESを進化させ多機能になっているが、内部スペースが少ないため改造に不向き。セイミツLS-32を取り付けるのも内部カットでスペースを開ける必要が出てくる。PCB変更にEZ-MODはほぼ必須。
2.パネルの選定
ボタンレイアウトを変更したい場合にはパネルの変更が必要になる
1)そのまま使用する
元々付いていたパネルを使用する。既製品のためArtworkの印刷を代行してもらうのが楽である。ベースがTEの場合でも内部をカットして加工する必要がない。
2)パネルを新しく用意する
別のパネルを用意してボタンレイアウトを変更することが出来る。ベースがTEの場合は内部をカットする必要があることに注意
a)製作されたものを購入する
あらかじめ用意されている交換用のパネルを購入して使用する。Artworkの作成を自分で製作する必要があるためハードルが高くなる。
b)自作する
金属加工のスキルがあれば天板を自由に製作することは可能。制作を依頼することもできる。パネルの選択肢が元々多いため不要かもしれない。
3.USBケーブルの処理
TEのケーブルBOXは分解不可(VSは可能)なので、基板につながっているUSBケーブルをそのまま取り外すことができない。再利用する場合は基板から取り外す必要がある。
1)ユニットごと交換する
配線作業が面倒な場合はケーブルBOXと基板をそのまま取り外して、新しいパネルを用意する。
ButtercadeのUSB Compartment/Door Replacementを使用すれば、USBケーブルの取り回しにNeutrik NAUSB-W-Bを選択することができ、追加ボタンを4つ追加できるため人気が高い。
(ただしケーブルBOXに固定されていたTOP Panelは利用不可となるので注意)
2)再利用する
ケーブルBOXにあるUSBケーブルを通す穴が狭いため、新しいUSBケーブルを引き直しても端子がつっかえてしまう。そこで古い配線を再利用して使うことが推奨されるが、新しい基板への接続方法は主に2つある。
a)ターミナル付きケーブルを使用する
5本の配線を簡単にUSB-Aに変換するためにターミナル付きのケーブルを利用する。配線をターミナルへ刺した後に付属のマイナスドライバーで締め付けるだけなので簡単である。
b)コネクタの作成
Brook社製のPCBには4pinの接続部(UFBのJ6-1等)があるため、USBケーブルのコネクタを製作して接続する。
4.TOP Panelの処理
天板上部にあるTOP PanelにはLEDと2つのボタンがあるが、それを利用するかで製作難易度が大きく異なる
1)取り外す
TOP Panelが不要な場合は取り外すことができる。
(ケーブルBOXを取り外した場合は取り外す以外の選択肢がなくなる)
取り外すことで取り付けられていた場所に空間ができるが、天板を穴無しのパネルで覆い隠せば目立たなくなる(Cut Turbo/Control Panel?のオプションで"NO"を選択)
2)EZ-MODに変更する
TOP Panel内の基板をEZ-MODに置換する。LEDも一部利用でき、ボタン配線(HOME & TURBO or TKEY)も付属しているためハンダ作業が不要である。
3)再利用する
内部配線を調べて再利用する。PS版の場合はレバー選択&LED点灯が難しいのでXBOX版を推奨。PS版を使用する場合は以下に配線方法が記載されている。
5.配線の処理
TEにはボタン配線用のターミナルが存在するので、コストカットのために再利用するかで配線の取り回しが変化する
1)再利用する
ボタン配線ターミナルを利用して新しい基板のターミナルへ接続する。配線を調べる必要があるのと、元々の配線が細く脆いので破損には注意。
2)新たに引き直す
新たに引き直す場合に20-pinを使用すると、基板位置に限定条件ができる。
a)ターミナル使用
新しい配線を作成して基板との接続にターミナルを使用する場合には、新しい基板を内部前面/内部底面のどちらにも置くことができる。
b)20-pin使用
新しい配線を20-pinを使用して作成した場合は、20pinにより基板配線が高くなるため、内部底面に基板を収めることが出来なくなる。
以降は気が向いたら追記しようと思います